In the beginning was the Word

愚者は一人語る。

 駒は揃った。
幸運なことに2体も引っかかった。
相互作用における変化も期待できる。上々だ。

この後、さしあたり必要なものは何か。


力が必要だ。

思考能力については申し分ない。
障害物を捩じ伏せられるだけの物理的な力が必要だ。
いつだって神聖視される独裁者には馬鹿げた力があった。


契機が必要だ。

“廃棄だ”と告げられた奴らにとってのあの瞬間も、
私の死も、あるいは契機になるかもしれない。
停滞した時間など泥沼と変わらない。濁流でもいい、流れが必要だ。


庇護していたつもりはない。
ただ、私が望む答えに近づくように整えてやっただけだ。


人が神として掲げるもの、それはひどく人に近い。
神に近づけるもの、あいつらはどんどん人に近くなる。

果たして、人は神なのか?
自分の意のままになる存在、ロボット、を作りだし、
環境を変じ、遺伝子に触れる。
創世記における神に酷く似た所業だ。

馬鹿馬鹿しい、人間は人間だ。
思い上がりもはなはだしい。
自分達で作り上げた全知全能の存在に、
自分達で近づいていく。
まるで自分達が全知全能であるかのような指標だ。
とんだ自慰行為じゃないか。


馬鹿馬鹿しい世界の中で、
一番の愚か者は私だ。

きっと世界には、子猫の爪とぎレベルの傷跡すらつかないだろう。
それほど世界は強固で、完璧で、恐ろしく声がでかい。


愚か者は愚か者なりに、
踊ってやるしかないだろ。

私はただ、私の考えの結実、その最後の一文が欲しいだけだ。

 

 

はじめに言葉があった。

それなら最後には、何が出来るのだろう。