文明は転がるような速さで進み、やがて、人間とそう変わらない
外見のロボット達が量産されるようになった。
統治する者たちの間では、人と変わらぬ姿のロボットに一定の権利を認めるべきか、
それとも、絶対的な奴隷であるべきか。その思想の違いが深い溝を作っていた。
思想の違いはやがて争いを産み、相互に害をなすようになる。
機械は絶対的な奴隷であるべきという思想を持つ執政官の息子二人が、
反対派閥の爆弾による襲撃に巻き込まれた。
兄は軽傷で済んだものの、弟は兄をかばい瀕死の重傷。
弟は体の大半を機械による義体に変えることで命をつないだ。
心身の自然な成長を代償に。
「……ねえ、何が残ってれば、俺を人間だって、認めてくれるの?」